南部の蔵人

南部の蔵人

南部杜氏の誇り 酒造りにおけるあらゆる状態や変化にどう対応し、変わらない品質と味を保っていくか、その按配を決めるのが杜氏です。

吉野酒造では2008年から日本三大杜氏に数えられる南部杜氏の技を継承する瀬川英夫がこの役目を担っています。
瀬川杜氏の技術力の高さは、これまで清酒鑑評会で頂いた、入賞及び受賞暦からも裏付けられますが、当の本人は「昔ながらの手仕事に最善の努力をしているだけ」と穏やかに語り、決して驕ることはありません。

手造りの酒の伝統と味を厳格に守り抜いている瀬川杜氏。
『理想の酒造り』への深い洞察力と探究心、謙虚さと真摯な姿勢の上に、その信念と情熱が注がれています。
誠実で温厚なお人柄は、『腰古井』に反映され、静かなプライドとなって輝いています。

南部の蔵人2

蔵人の佇まい 蔵人たちは、毎年、酒造りの季節になると南部、岩手の花巻からやってきます。

酒造りは冬場の厳しい寒さの中で春先まで休むことなく続きます。
失敗の許されない重圧の中で、神経を研ぎ澄まし、日々、状況の変化に対処し、時には試行錯誤の連続の中で新しい酒は生み出されていきます。
中でも『杜氏』はその全責任を負っています。
吟醸仕込みになると、いっそうに寝る暇を惜しみ、人知れず心血を注ぐその仕事は私達の想像以上に過酷であり、熟練を要する繊細な仕事です。

仕込みに入る11月の初旬から4月初旬の火入れが終わるまでの約5ヶ月間、蔵人たちは寝食を共にします。昼夜を問わず、気温の変化など酒造りを取り囲む環境の変化に対応すべく、あらゆる工程において品温管理やその時々の状態、経過を注視しながら、酒造りは、まるで赤ん坊を育くむような愛情によって、蔵人たちに手をかけられ、見守られています。

酒造りに対する厳格でひたむきな気持ち、愛情と長年培ってきた技と感性は、杜氏や蔵人たちの凛とした佇まいに表れ、奥ゆかしい南部の誇りとなっています。

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